それでも、まだ。
『あなたは………っ!』
神田はバッと立ち上がり、シーホークから距離をとった。
1週間前の記憶が鮮明に蘇り、カタカタと神田は震えだした。
『そんなに怖がらないでくださいよ。傷ついちゃいます。』
シーホークはそんな言葉とは裏腹に、不気味な笑みを浮かべながら神田の方へゆっくりと近づいてきた。
『っ!こ、来ないで…っ!』
神田は慌てて部屋のドアに近づき、部屋の外に出ようとした。
ーーーしかし。
『なんで……開かないの…っ!』
いくら押したり引いたりても、ドアはピクリとも動かない。
そうしている間にシーホークは神田にどんどん近づいていく。
『知りたいのでしょう?』
『!』
『知りたくても、ここでは何も得られないのでしょう?』
『ここにいるすべての者たちが、あなたが知ることを拒んでいる。』
『―――っ!』
神田は咄嗟にシーホークを睨んだ。
しかしその顔はとても悲しげで、神田は呆気にとられた。
『つらいでしょう…ただあなたは友達を助けたいだけなのに…。私、いや私たちの組織はあなたを助けたい。あなたの役に立ちたい。ここの彼らは残酷です。私みたいに彼らに裏切られて、傷ついてもらいたくないのです。だから…一緒に来てくれませんか?』
そう言って深々と頭を下げ、手を差し伸べたたシーホークに、神田は心が乱れた。
―――この人を、信じてもいいのだろうか。
先程の記憶が神田の頭に蘇った。
―――正直、迷惑なんだよ。
―――あの事件については言わねぇ。
神田の中で何かがプツリと切れた音がした。
『……あなたと一緒に行きます。』