それでも、まだ。


ーーーーーーーーーーー


医療室にて。


『あーーー!やっと退院かーーー!』



セシアはベッドのに腰かけて、大きく伸びをした。


シキに特訓をお願いして、一週間の絶対安静がようやく今日で終わるのだ。


この一週間はとても退屈で、そして早く体を動かしたくてたまらなかった。



最後の診察をし終わった医者の傍らで、毎日欠かさず見舞いに来てくれたシキは診断結果を見て安心しつつ、今日からでも激しく修行しだしそうなセシアを見て、呆れたように、しかし嬉しそうにセシアに歩み寄った。



『退院おめでとさん。まさか一週間でここまで回復してまうとはなぁ。でもいっときは無茶はあかんで?』



『分かってますって。Seakって怪我の回復も早いんですね。』



『まぁ、人間よりは断然な。不死ってわけではあらへんけどな。ベルガさんももう完全に治ってるしな。』



『そうなんですか。良かったです。…それよりシキさん、約束覚えていますよね?』



いきいきをしてシキを見るセシアに、シキはため息をついた。




『わーってるわ。ほんとはもっと安静にしててほしいけどな。』



『だーいじょうぶですって。じゃあ私、一回部屋に戻ってから修行場向かいますね。神田にも全然会ってなかったですし。ちゃんと来てくださいね。』




『おーそれがいいわ。真理もセシアのことずっと心配しとったしな。他の奴らにも顔見せときー。』




ニッと笑うシキに頷いて、神田は先に医療室を出て、セシアは足軽に一週間ぶりの自分の部屋へと向かった。





―――事件の日以来だ。




妙な緊張感を持ちながらセシアは歩いて行った。



怪我は何もしなかったとは聞いていたが、やはり姿をしばらく見ないと、不安になるものだ。



なんだか姉のような気持ちにくすぐったくなりながら、セシアは部屋の前へとたどり着いた。





『神田、入るぞ。』




そう言って部屋の扉を開けてセシアが中に入ると、













そこには、誰もいなかった。






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