ただ今、政略結婚中!
美味しそうなお料理を前にして食べ始めるけれど、病み上がりで思ったより食が進まない。


『キミはハヤトの奥さんなんだって?』


えっ?


ぼんやりする私の耳に隼人とワイフが聞こえた。


「は、はい」


『エステルとハヤトが恋人同士だと知っていてここに来たのかい?』


エステルとハヤトだけはわかり、思わずエステルの姿を探してしまう。


彼女は賑やかな一団の中で光り輝くようにいた。


その時、エステルがおおげさなジェスチャーで、両手を広げて誰かの元へ飛んで行った。


待ち焦がれていた人が来たっていう感じだ。


エステルの姿を何気なく目で追って行くと、次の瞬間、私は愕然となった。


隼人さん!


エステルが抱きついた人は隼人さんだった。


ドレスアップした皆とは違うビジネススーツなのに、その場に溶け込んでいて目を疑ってしまった。


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