ただ今、政略結婚中!
隼人さんはエステルと話してから、視線を私の方へ動かした。


目と目があって、はじかれたように立ち上がってしまう。


怒っているような視線だったけれど、私の所へ来ることもなくエステルの方を向いてしまった。


無視された……?


私のシャンパングラスを持つ手が震えた。


知り合い以下の関係のようでショックだった。


『ヒュー』


クライヴが驚きの口笛を吹いた。


『ハヤトはクールだね。本当に君たちは夫婦なのかい?』


クライヴの言っていることがわからず、返事を返すことが出来ない。


エステルが隼人さんの腕に手をかけるのを見て、だんだん惨めになっていく。


ふたりはまだ付き合っているんだ……。


違うのならば私の所へ来てくれるはず。


『座った方がいい。寒いのかい?震えているじゃないか』


クライヴが私の腕に触れて、イスに座らせる。


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