ただ今、政略結婚中!
「エスがシャワールームと着替えを用意してくれる。一緒に行くんだ」


エス……親しげな愛称……。


隼人さんの言葉に胸が痛む。


「いいです。このまま――」


「バカなことを言っていないで早く熱いシャワーを浴びるんだ。風邪がぶり返す」


意固地な私に隼人さんは呆れたように言って肩を軽く押した。



「アキさん、こちらよ」


エステルは先だって歩き始めた。


私は仕方なく付いて行く。


じゅうぶんに注目を浴びてしまって、ここにはいたくなかったから。


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