ただ今、政略結婚中!
「ちょ、ちょっと!せっかく整えてきたのにっ!」


ぼさぼさにされた髪を手櫛で整えながら照れ隠しに文句を言ってみる。


いつもと違う隼人さんに調子が狂っちゃう……。


「じゃあ、着くまで寝るからな」


「あ、はい……」


そう言うと、腕と足を組みシートに身を預けて目を閉じてしまった。


2時間か……私は眠くないな。


古代の遺跡が見られることでわくわくしてきて眠るどころじゃない私は、窓の外を眺めることにした。


隼人さんはぐっすり眠っていた。


疲れているんだよね……。


頭がドアにもたせ掛けているのを見て、悲しいと思う。


私に寄りかかってくれたらな……。


手を伸ばせば触れられる距離なのに、とてつもない距離を感じてしまう。


眠くなかったはずなのに、車の揺れは私を眠りに誘い、何度も瞼が重くなった。


うとうとしかけた時、隼人さんの声が聞こえた。


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