ただ今、政略結婚中!
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飛行機に乗り込んだところで、笑顔が引きつった。


ホテルにジョンの姿が見えなくてホッと安堵したのに、ジョンがすでに座席に座っていたからだ。


樋口さんはジョンの隣の窓側に座って、私達を見ると会釈する。


ジョンを見て、一気に気分が沈んだ。


そうだよね 同じニューヨークに戻るのだから便が一緒で当たり前。


「亜希さん、ようやく戻れますね?」


ジョンの言葉に含みがあるのがわかるのは私だけ。


ニューヨークに戻れば、決断をしなければならない。


「帰りたくなかったんですけど」


ジョンに向ける顔は無表情になってしまう。


通路に立ち止まる私の肩に隼人さんは手を置き、


「今度は休暇を取って来よう」


そう言って、こめかみに唇が当てられた。


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