ただ今、政略結婚中!
ドアチャイムが鳴った。


スーツを持ったまま、玄関へ行き開けると裕美さんが立っていた。


「おはよう、昨日クッキーを焼いたの 食べてくれる?」


セロハンの透明な袋に一つずつ入っているクッキーはパティスリーで売っているような見事な出来栄えだった。


「うわぁ~ 可愛いですね!」


クリスマスツリー、サンタ、トナカイ、リースなどの10センチほどのクッキーなのだが、カラフルなアイシングが施されており、とても可愛い。


「食べるのがもったいないです」


「そんなことないわ また作るから、食べてね?」


裕美さんはお料理教室に通うだけあって、お料理も上手だし、ケーキなどもお手の物だ。


「あら?クリーニングに出すの?」


裕美さんは私の手にかけていたスーツを見て聞いた。


「あ……」


持っているスーツに目を落として、思い出してしまった。


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