ただ今、政略結婚中!
「阿部の彼女さん、何を飲みますか?ここのイタリア産のワインは美味しいですよ」


私の隣に元凶の人も座った。


「えっ?いいえ……ジュースをいただきます」


「飲まないんですか?」


頷くと、彼は近くにあったオレンジジュースをグラスに淹れてくれた。


「ありがとうございます」


頭をペコッと下げると、近くに座っているスタイリッシュな銀のフレームメガネをかけた男性が口を開いた。


「可愛いな~ 阿部の彼女 なんか初々しいって感じ?ああ!コート、まだ脱いでいないじゃないですか、どうぞ掛けられますから」


そう言われて、自分だけがコートを着ていた事に気づく。


「白いコートだなんて、清楚なお嬢様って感じだな」


彼がそう言うのはきっと私の持っているバッグや装飾品を見て言っているのだろう。


バッグは一流のブランドバッグだし、指輪は左手には結婚指輪に見えないダイヤのリング。


右手にはあのピンクダイヤのリングがはめられている。


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