ただ今、政略結婚中!
隼人……。


私って、なんてバカだったんだろう……隼人を信じられなくてのこのこやってきて……。


目頭が熱くなってきて、涙腺がゆるむ。


自分のバカさ加減に、大声で泣きたい気分だ。


踵を返し、部屋に入るとまっすぐハンガーにかけられたコートを手にした。


「亜希ちゃん?」


健ちゃんが驚いて見ている。


「ごめんなさい 帰ります」


誰ともなく言うと、部屋を後にした。


逃げるようにお店を出て、通りに出ると、真冬の寒さにブルッと震える。


震える手でコートを羽織ると、駅に向かって歩き出した。



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