ヤンデレ彼氏に迷惑なほど愛されて
【感情の置き場所は君の隣に】
迂闊としか言えなかった。
――油断したつもりはなかったのに。
ならば奇襲と言えよう。
街を歩いていたら、いきなりワゴンに押し込まれた。
薬をかがされ、起きてみれば、窓がない一室で椅子に縛れ、身動きが取れずにいた。
――迅速だなぁ。
感心すらもしたのは、きっと相手はプロなのだろう。
チンピラならば、自分を襲うなりなんなりするはずだが、見た目からしてこいつらは素人ではない。
黒スーツにサングラス。同じ髪型。
身元が分からないように細工するあたり、明らかにヤバイ筋の一つなのか。
――マフィア?
予想するにそれしかないが、自分がマフィアに拉致される理由はない。
殺しの依頼は決して、“飛び火”がないようなことばかりである。