ヤンデレ彼氏に迷惑なほど愛されて


【感情の置き場所は君の隣に】


迂闊としか言えなかった。


――油断したつもりはなかったのに。


ならば奇襲と言えよう。


街を歩いていたら、いきなりワゴンに押し込まれた。


薬をかがされ、起きてみれば、窓がない一室で椅子に縛れ、身動きが取れずにいた。


――迅速だなぁ。


感心すらもしたのは、きっと相手はプロなのだろう。


チンピラならば、自分を襲うなりなんなりするはずだが、見た目からしてこいつらは素人ではない。

黒スーツにサングラス。同じ髪型。


身元が分からないように細工するあたり、明らかにヤバイ筋の一つなのか。


――マフィア?


予想するにそれしかないが、自分がマフィアに拉致される理由はない。


殺しの依頼は決して、“飛び火”がないようなことばかりである。


< 84 / 268 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop