記憶の桜 -栄枯幻世-


しばらくして――。




「いーやーでーすー!私は入りません!!」




私はお座敷の前の床に座り、一歩も動かない。




「嫌やない!ほな、早く!!」




鈴蘭さんが手を引っ張って来る。




でも、腕を引っ張ろうと、身体を擽られようと、私は動く気は毛頭ない。




何故、1回のみならず、2回も芸妓姿にならないといけないの!?




< 165 / 412 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop