記憶の桜 -栄枯幻世-


「涼ちゃん。土方さんの事、よろしくね」




私も立ち上がろうとしたけど、土方さんにかっちりと着物を掴まれていて、動けなかった。




「沖田さん…っ!」




襖が閉められ、私の声は虚しくお座敷の中に溶けて行く。




いつの間にか、鈴蘭さん達も消えてるし…。




「はぁ…」




自然と溜息が漏れ、私はうなだれた。









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