記憶の桜 -栄枯幻世-
翌朝。
目を覚ますと、膝の上では土方さんがまだ眠っていた。
そろそろ屯所に戻らないといけない時刻なのに…。
というよりも、足が痺れていて、このままではかなりまずい!
疲れている彼を起こすのは心許ないけど、此処は心を鬼にして…。
「土方さん…、起きてください」
「何だよ…、うるせぇな…」
身体を揺すり、彼を起こすと、うっすら目を開けた。
しかし、目の前にある私の姿に目を見開き、いきなり身体を起こした。