記憶の桜 -栄枯幻世-


部屋の中は私1人…。




女だとばれてしまった以上、新選組にいられる訳がない。




やっと…、彼らを信じられたのに…。




「出て行きたくないよ…」




自然と涙が零れて来た。




静かな室内に、私の啜り泣く声だけが響く。



「葛葉さん、良いですか?」




「は、はい」




涙を拭いて、かけられた声に返事をすると、2人の隊士が入って来た。




名前は分からないが、様子が変だ。






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