記憶の桜 -栄枯幻世-
「うぁあぁ!」
平助の悲鳴!?
まさか、斬られたんじゃ…。
「人の心配をしている場合かっ!」
「くっ…」
吉田に胸のあたりを蹴られ、僕は壁際に飛ばされた。
咳と何かが込み上げて来た。
「げほっ、げほっ、かはっ…」
口を押さえていた手には真っ赤な液体が付いていた。
まずい…、視界が…。
吉田が僕に向けて、刀を振り下ろそうとしていた。
僕は死ぬのか…。
こんな所で…。
最期に逢いたかったな…、涼ちゃん…。