記憶の桜 -栄枯幻世-


「うぁあぁ!」




平助の悲鳴!?




まさか、斬られたんじゃ…。




「人の心配をしている場合かっ!」




「くっ…」




吉田に胸のあたりを蹴られ、僕は壁際に飛ばされた。




咳と何かが込み上げて来た。




「げほっ、げほっ、かはっ…」




口を押さえていた手には真っ赤な液体が付いていた。




まずい…、視界が…。




吉田が僕に向けて、刀を振り下ろそうとしていた。




僕は死ぬのか…。




こんな所で…。




最期に逢いたかったな…、涼ちゃん…。







< 269 / 412 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop