記憶の桜 -栄枯幻世-


私は隊務中に大怪我をした山崎さんの傍で、彼の看病をしていた。




彼は額に脂汗を浮かべ、荒い呼吸を繰り返している。




身体に巻かれている白い包帯には血が滲んでいて、まだ出血が止まっていない事が分かる。



「葛葉…君…。君…に…頼み…が…あ…る…」



「何ですか?」



「副長…の…傍に…いて…やっ…て…くれ…」




土方さんの傍に…?







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