記憶の桜 -栄枯幻世-
「彼…は…独り…で…すべ…て…を…抱え…込む…。だ…から…、君…が…彼…を…」
山崎さんの声がだんだん小さくなっていき、目も虚ろになっていく。
「山崎さんっ!?」
彼の容態が急変した。
やはり、この傷の状態で動かしたのが、良くなかったんだ。
「土方さんっ!山崎さんが…っ」
私は扉の所に駆け寄ると、土方さん達を呼んだ。
表に出ていた彼らは慌てて、部屋に飛び込んで来た。
しかし、山崎さんは彼らが駆け付けて間もなく、息を引き取った。