記憶の桜 -栄枯幻世-


彼の目はじっと私を捕らえ、何かを見定めているように見えた。



そして、小さく笑うと、広間を出て行った。



室内にどっと溜息が響いた。



「ったく、芹沢さんには参るぜ」



永倉さんがぼやくと、横にいた原田さんも頷く。



静かだった空気が再び、さっきのような宴会状態に戻った。



「大丈夫?」



沖田さんが気遣ってくれるが、私は頷く事しか出来ない。






< 62 / 412 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop