記憶の桜 -栄枯幻世-


手を後ろに隠した土方さんを不審に思い、私は無理矢理、彼の手を引っ張り、手を見た。



「な、何ですか?この手…」



彼の手は青紫色に変色し、所々皮がめくれ上がり、腫れていた。



多分、私を鉄扇から庇う時に怪我をしたのだろう。



「大丈夫だ。ほっとけ」



「駄目です!ちょっと待っててください。絶対此処を動かないでくださいよ」



私は彼を縁側に座らせると、彼の元を離れ、中に戻る。



薬とさらし、手拭いを持つと、桶に水を汲んだ。




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