記憶の桜 -栄枯幻世-
「私のせいでごめんなさい。それと、助けてくれてありがとうございます」
あの時ももちろん、助けてもらった事に感情していた。
でも、感謝の感情よりも怒りの方が勝ってしまったから、あんな結果に…。
「いや…。俺も悪かった。あとこれ、ありがとうな」
土方さんが笑った。
もともと綺麗な顔立ちをしている彼が笑うと、その姿はあまりにも綺麗で…。
「よし。掃除やっちまうか」
「は、はい!」
私達は互いの怪我を気遣いながら、掃除を再開した。
この時、私は自分の中で何かが変わり始めている事を、まだ知らなかった。