あたしの彼は『ヒドイ男』
 
「ミナおめでとう! でもどうしよう、なんかさみしい!」

ミナの彼氏は美容師をしている男の子だ。
すごく明るくて気が利いて優しい子。
ふたりはとてもお似合いだし、結婚したらすごく仲の好い夫婦になりそう。

だけど、結婚したら仕事やめちゃうの?
こうやって、毎日一緒にランチ食べられなくなっちゃうの?

そんな事を想像して、さみしくなる。

喜んでいいのか、寂しがっていいのか、どうしていいのかわからずに慌てる私を見て、ミナは呆れたように首を横に振った。

「ちがう、ちがう。えり子慌てすぎ」

くすくすと笑うと、肩の上で切りそろえられたミナの髪がさらさらと揺れる。

「ブライダル関係の仕事をしてる友達に頼まれたの。どんな指輪が人気あるのか調査してって、この雑誌押し付けられたんだよね」

「そうなんだ。びっくりした」

はぁーっと大きく息を吐き出した。
突然結婚情報誌なんて持って来たから、驚いちゃった。

「私の彼氏、年下だし結婚なんてまだまだ先だなぁ。やっぱりこういう指輪、憧れるけどね」

そう言われて、改めて雑誌の指輪のページに視線を戻す。

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