あたしの彼は『ヒドイ男』
 

「うん、やっぱり憧れるよね」

キラキラと輝く指輪たち。普段アクセサリーなんてあまり興味はないけど、こうやって見ると胸が躍る。
ロマンチックな愛の言葉とともに、こんな指輪を貰えたらどんなに幸せだろう。

「私なんかより、えり子の方が結婚に近いんじゃない? もう同棲してるし」

「結婚はしたいけど、ありえないよ。カズだもん」

普段好きだとも言ってくれないあの横暴で無愛想なカズが、プロポーズなんて夢のまた夢だ。

「そうかなぁ」




「あれ、どっちか結婚するの?」

私とミナが話し込んでいると、頭上から声をかけられた。

驚いて顔を上げると、先輩の山内さんが面白がるようにこちらを覗きこんでいた。
やわらかそうな茶色の短髪にスーツ姿の山内さんは、人当たりがよくて、いつも私たちに色々教えてくれる話しやすい先輩だった。

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