あたしの彼は『ヒドイ男』
「ごちそうさまでしたっ」
勢いよくフォークを置いて立ち上がる。
「早いな」
カズは空になったお皿を見下ろして呆れた顔をした。
私はそれを無視してバッグからお財布を取り出すと、広瀬くんに「いいですよ」と笑顔で首を横に振られた。
「カズさんが、残り物を出しただけだから、お金はいいって」
「でも……」
ちらりと横目でカズをうかがうと、無言であごをしゃくる仕草。
さっさと家に帰れってことだろう。
つめたい態度にむっとした。
いつもこうなんだ。
私はカズの姿を見るだけで、きゅんとしてしまうくらい好きなのに、カズは私のことなんてまったく気にも留めない。
ふたりの間の天秤はいつも私の方に傾きっ放しで、大好きなのに、悲しくなる。
この先もずっとずっとこうやって、私だけがカズのことを好きでいるのかな。
カズが振り向いてくれた時は、それだけで泣きそうなくらい幸せだったはずなのに、付き合って二年もたてば、私と同じくらいの愛情を返して欲しいと思ってしまう。
どんどん欲張りになる自分は、カズから見ればただの我が儘な女なのかな。
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