あたしの彼は『ヒドイ男』
 

「お腹空いてる?」

「いや、店で食ってきた」

「そっか」

そんな素っ気ないやり取りをしながらリビングに行くと、ローテーブルの前で足を止めた。

「なにこれ」

カズの視線の先には、私が読んでいた結婚情報誌。
ふわふわでキラキラのドレスを着て微笑むモデルさんを見て、カズは面倒な物を見るような表情をした。

「……別に」

「お前が買ったの?」

「ううん。ミナにもらったの」

「ふーん」

私の答えにカズは軽く片眉を上げると、どすんとソファーに腰を下ろし、ぺらぺらと雑誌をめくってから、面白くなさそうにすぐに閉じた。

そして「のど乾いた」なんていいながら、キッチンの方へ歩いて行く。

私はソファーに無造作に置かれたままのその雑誌をぼんやりと見下ろした。
表紙の中で笑うドレスを着たモデルさん、ちりばめられた綺麗な花。
幸せそうな画像なのに、見向きもされなくてちょっとさみしそうに見える。

カズが結婚にくいつくとは思ってないけど、そんなに興味なさげにされるとちょっと傷ついた。
私との結婚なんて、微塵も考えてないのかなって、切なくなる。


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