あたしの彼は『ヒドイ男』
「そういう雑誌、彼氏に見せて女の子からさりげなく結婚せまったりするらしいよ」
「は?」
「会社の先輩が言ってた。彼氏に結婚願望あるか探ったりするって」
私がそう言うと、カズは眉をひそめ軽蔑するような表情を浮かべた。
「……くだらねぇ」
「え……?」
そのカズの冷たい言い方に、驚いて顔を上げる。
「くだらないって、ひどくない?」
「くらだねぇだろ。その男が好きならそんな計算高いことしないで、黙って信じて待ってればいいだろ。バカバカしい」
キッチンで煙草を咥えたまま、ヒドイ男がライオンみたいな低い声で唸るように吐き捨てた。