あたしの彼は『ヒドイ男』
 




「あー、腹減った」

ぼんやりとまどろんでいると半裸のライオンのつぶやきに、きょとんとして顔を上げた。

「お腹すいたの? こんな時間に?」

「しょうがないだろ。運動したから」

ニヤリと意味深に笑われて、頬が熱くなる。
運動って言い方、しないでほしい。

「なにか作る?」

そう聞き返すと頷かれた。

「しょうがないなぁ」

さっきの余韻でまだ怠い身体を無理矢理起こしてキッチンへ行く。
冷蔵庫をのぞいて中を確かめる。

目についたのは、ベーコンに玉子にチーズ。
じゃがいもを入れて具だくさんのオムレツでも作ろうかなと思っていると、

「ライター知らねぇ?」

とカズが辺りを見回しながら聞いてきた。

「知らないよ。ガスコンロでつけたら?」

私はポケットの中にライターの固い感触を感じながら、知らないフリをしてそうとぼけてみせる。


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