あたしの彼は『ヒドイ男』
驚いて振り向くと、そこにいたのはショートボブの女の子。
「ミナ……」
ぽつりと名前を呼んで、慌てて顔を逸らした。
今、一番合いたくない人に会ってしまって、どうしていいのかわからずに、黙ってうつむく。
「えり子。こんな場所でなにしてんの」
涙目の顔、手にはビール、そんな私の状況を見て納得したのか、ミナは呆れたように笑って近づいてきた。
「またカズさんとケンカしたの? こんな時間に部屋飛び出したら、カズさん心配してるよ」
ミナの諭すような口調に、カッとして頭に血がのぼった。
心配なんてするわけない。
浮気がばれたって言い訳ひとつしない、あのヒドイ男が。