あたしの彼は『ヒドイ男』
「本当は内緒にしてくれって頼まれてたんだけどね。この前偶然このお店の前でカズさんに会って、一人でこんなお店にくるキャラじゃないから驚いて話を聞いたら、えり子に指輪をプレゼントしたいっていうからさぁ」
そう言ってミナは持っていたビールを飲み干した。空になった缶をぺこぺこ音をたてて手の中で弄びながら、いたずらっ子みたいな顔で笑う。
「カズが……?」
「指輪見たけど、どれがいいのかさっぱりわからないって困ってるから、私も協力したんだよ。ほら、結婚情報誌見せて、好きな指輪どれ? って聞いたりしたじゃん」
「うそぉ……」
私が置きっ放しにしていた結婚情報誌を見て、面倒くさそうに眺めるカズを思い出す。
『その男が好きならそんな計算高いことしないで、黙って信じて待ってればいいだろ』
そんな傲慢なセリフをぶっきらぼうに言い捨てるカズの顔が思い浮かんだ。