レッスン ~甘い恋の手ほどき~
ずっとここにいることもできなくて、いくらか気持ちを整えて再び戻ると、彼は出かけた後だった。
「華帆ちゃん、深谷さんが定時で上がっていいってさ。あの人と出で行ったよ」
「――はい」
私は想いを吹っ切るように、それから仕事に没頭した。今は何を考えても、落ち込んでしまうだけだから。
「山中さん、ここ違ってます。直しますね」
「もう帰っていいよ。あとは俺たちがやるし」
「いえ、たまには私にも手伝わせてください」
こんな時、一人になったら、泣くしかないから。
それは体で分かっていた。
泣くしか……。
私はやっぱり彼が好き。