レッスン ~甘い恋の手ほどき~

結局、その日の仕事が終わったのは10時過ぎていた。


少し空いた電車に乗り込む。
さすがに疲れたけれど、それでも余計なことを考えるよりはましだ。

けれど、電車の窓の外を流れていく真っ暗な夜景が、私の心まで浸食してくる。


「あの人と出て行ったよ」


彼は今頃、彼女と一緒なんだろうか……。
まさか……。



一瞬、彼が西川さんを抱き寄せる光景を想像してしまって、胸が痛くなる。

そして、あの綺麗な大人の女性が、彼に寄り添う姿があまりにもしっくりきているように思えて……。



好きになんて、なっちゃいけなかった。
こんな私が、恋なんて……。

どれだけ失敗を繰り返すんだろう。やっぱり私は……私には人を好きになるなんて……。





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