SCHUTZENGEL ~守護天使~
「あなたには絶対神を守る側近としての役割があって、彼の役割は人間界にあるのですもの」

「それもそうか、奴がここにいては意味が無いな」

 思い出したように肩をすくめる。

 彼は主人以外にはいささか言葉遣いが荒い。

「一介の魔物でしかなかった私があなたの加護を受けた。これほど名誉な事は無いわ、でも……」

 声を詰まらせ体を震わせているエルミに半ば呆れたように溜息を吐き出す。

「一体何があった、話してみろ」

 厄介ごとには出来る限り関わりたくない性分だが仕方がない。

「私──っ」

 話を促したアレキサンダーにエルミは堰(せき)を切ったように口を開いた。





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