SCHUTZENGEL ~守護天使~
「悪いこと言ったかしら」
 
「あ、ああ……。いや」

 長いこと見つめたまま黙っていたので、彼女に気を遣わせてしまったようだ。

「いいんだ、本当のことだしね」

 なんとなく彼女を安心させたくて照れ笑いで答える。

 声もキレイだ、などと考えながら。

「そう。でもあなた、気を付けなさい。その目には迷いが見えるわ。今日は満月。早く帰ることね」

 女は少し冷たい瞳でグラスを傾ける。

「は?」

 しばらく彼女を見ていたが、言葉の意味を教えてくれそうになかった。

 目に迷い?

 どういう意味だろう。




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