Tricksters2ッ
────シャパネットガタガタ本社ビルで、警官の制服からスーツに着替えたゼン。
すげーなシャパネット。普通の服も売ってるんだなー。
倉庫から売り物のカバンの中に勝手に商品を詰め込み、裏口からビルを脱出。
ここから、ホテルヲータクまでは歩いていける距離らしい。
逃走中ていう心理から、早足で歩く俺にゼンは「いつも通り歩け」と言う。
「ゼン、よかったのか? 珍しく予定外の行動したんだろ?」
「ったく、本当だよ。まさか親父の野郎が面会に来るとは思わなかったし、俺の個人資産の銀行口座まで凍結しやがるなんて、国家権力憎し!」
「…………おまえは、大分その恩恵受けて生きてきてる気がするけどな」
ゼンが立ち止まる。ここは高級ホテルが立ち並ぶ大通りだ。この付近を徒歩で移動している奴は少ない。
高級車が次々に俺たちを追い抜かしていく。
「俺は自立してんだよ! 親父には世話になってない!」
ゼンが俺の胸ぐらを掴んできた。まーた、キレてるし。ゼンが何度もキレるの珍しいよな。
「金銭的には世話になってなくても、結局総理はおまえが心配なんじゃねーの?」
あの贅沢な檻みてそう思った。
一人息子が誰かに恨まれていて心配なら、安全な檻にぶち込んどけば安心だ。
なかなかそれを実行できる親がいないってだけの話だ。