Tricksters2ッ
「仕事の話だから、藍莉はそっちだ」
「わかった。淳一が言うなら……」
大理石のテーブルを挟んで対面に座ると、ゼンが話をはじめた。
「まず、香月取締役。御社は我々の商品を盗作している事実を認めるか?」
「認めるわよ。私、今日パパに辞表出してきた。偽物の会社なんて要らないもの」
ゼンは深く俯いた。
「それは……経営者あるまじき行為だ……社員のことはどうするつもりだ?」
その口調には棘がある。藍莉は窓の外を眺めた。
「最初から、私は騙されていたのよ。多分、そっちが訴えてきたらパパも峻お兄ちゃんも私に罪を丸投げするつもりだったのよ……間違いだらけの毎日、間違いだらけの場所にいたのは、私だけ。もう何が真実かなんてわからない」