Tricksters2ッ


 コイツ……相変わらずめちゃくちゃだ。ドアの外でボディガードが暴れている。

 ガンガンガンガン、ドアを叩く音がしばらく響く。


「不正入札って何よ? まさか、うちのパパが本職の方でもズルしてるって言いたいの?」


「さあな、自分の口から訊いてみろ」


 ゼンは惚けたふりして、ソファーに戻ると大きく伸びをした。

 大きな欠伸をすると、ジャケットを脱いでネクタイを抜き取る。



「あー、疲れた。淳一も明日の朝までここから出るなよ」


「おう……だけど、皆結婚式なんか忘れてるんじゃないか?」



「計画書見てないのかよ? 明日は、社員全員強制参加。ユカリが気づいてるだろ」

「ゼン……おまえ」


「明日にしよう。今話しても二度手間だ」


 全ては明日の結婚披露宴でか……

 藍莉は、スパンコールの派手なバッグから携帯電話を取り出すと「もしもし、パパ?」と電話を始めた。


 泣きそうな複雑な顔をしている藍莉が、今まで見てきた中で一番弱って見えた。


 ゼンは、知らん顔したまま頭の後ろで腕を組むとソファーに横になった。


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