Tricksters2ッ
「じゅんちゃん、李花と結婚してくれるって言ったじゃん! パパに頭下げてくれたじゃん!」
「そういう意味じゃないよ。結婚はする。今は李花以外の女なんて考えられねーし。だけど、次の就職先が決まるまで待ってくれ」
久しぶりに俺の部屋で迎えた。二人きりの朝。
李花はお気に入りのエプロン姿で、俺の目の前に正座した。
「そっかー、でも、じゅんちゃん。これからは二人で力合わせないと本物の夫婦になれないよ。李花もお仕事頑張る。貧乏でもいーよ。頑張ろ」
「李花……」
ヤバい、泣きそう。
自分が情けないのと、李花の言葉が嬉しいのと、混ざって変な涙が出そう。
「ちょっとずつお金貯めて、手作りの暖かい結婚式して……そういうの李花、ずっと憧れてた。トリックスターズに入って毎日華やかなじゅんちゃんは、それはそれでよかったけど、またあのアパートにいた時からやり直そうよ」