Tricksters2ッ


「藍莉……」


「なによ! 私に説教する気?
みんなして私の事、子供扱いするんでしょ?

 仕事だってロクにできない。女は、いい家柄の男に嫁げばいい。男の子産んで、跡取りを育てるのが仕事だって、淳一もそういう目で私のこと見てるんでしょ?


 バカにしないでよ!
 私は、好きになった人と恋愛したいし
仕事だってしてみたいの!」


「そんな事言いたいわけじゃねーよ!」

 俺も語尾を荒げると、藍莉の瞳から涙がこぼれた。


 ダメだ、これじゃ言い合いになるだけだ。
 
 作戦変更していかねーと……


 藍莉は自分で涙を拭うと、俺をキッと睨みつける。逞しい女だ。

 それまでの藍莉は本当に楽しそうだったのにな。

 多分、男とまともに付き合ったことがないな。

 映画館でも落ち着きなかったし、ウブな女らしい一面もあった。


 それなのに、ノーパンで迫る度胸があるんだから……普通の恋愛もしてないんだろうコイツ。

 コイツが、犯罪者になって逮捕されんのは嫌だな……



「おまえとは恋人にはなれないけど、友達くらいにはなってやれるかもしれない」


 あくまで上から目線だけど、これくらい言っとくくらいが藍莉には丁度よさそうだ。






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