Girls Kissシリーズ・タラシとのキス
「愛情よりも、負の感情の方が強いって言っただろう? それに長続きもする。できれば一生、キミには嫌われていたいと思うよ」

彼女は……怖がっているんだ。

アタシの秘めたる気持ちを知っていて、それを受け入れたら、いつか終わりを迎えてしまうと思っている。

それを怖がってて、なら逆の言葉を言われた方がいいだなんて…。

アタシ達は気付かなかったけれど、本当は似た者同士だったのかもしれない。

深くため息をつき、アタシは真っ直ぐに彼女のを見上げた。

「強くなりましょう」

「えっ?」

「アタシもアンタも、本当の気持ちのままに生きられるように、強くなるの」

このままじゃいけない。

逃げてばかりでは、何も解決しない。

「少しずつ…ちょっとずつでも良い。強くなって、真っ直ぐに生きてみましょうよ」

「でも…」

彼女の目が、不安そうに揺れる。

彼女の生き方は決して褒められるものじゃないけど、周囲が押し付けてきたというのもある。
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