透明水彩
「いいや、美凪ちゃん。君が安全な世界へ行ってから、まだ2日しか経ってないよ。」
「え……?」
あれだけ、色々なことがあったのに、こっちではたったの2日だけ?
要するに、未来での1ヶ月はこっちでの1日でしかないということになる。
時間軸が、ズレてるのかな……
そんなことを考え、思案に耽るあたしの頭を叔父さんは軽く、ポンポンと叩く。
そんな叔父さんに、あたしは安全な世界が7年後の世界であったことや、組織のこと、リングのこと、結局訪れた命の危機についてのことを、一通り話した。
7年後の叔父さんのことについては、それはもう、事細かく。
でも、大切な思い出である莱との話は、さすがにすることはなかった。
綺麗な思い出は綺麗なまま、誰の手にも汚されず、あたしだけが覚えていればいいと思ったから。