透明水彩
叔父さんの話によれば、こっちの世界ではちゃんとプログラムは起動し、データは破壊されたらしい。
叔父さんがあたしの出発後にお父さんのパソコンから見つけたデータも、全て消失。
敵側のは確かめる術は無いけれど、動きが収まったのは確認され、風の噂でCROCEが解散したというのも流れた。
事実上、本当に全てが終わったらしい。
……ということは、未来は変わる。
あたしが行った未来は、違う未来に塗り変えられる。
今ごろ莱の記憶に、あたしはいない。
覚悟していたし、あたしがそれを望んだのは事実だったけれど、やっぱり胸が痛かった。
「……美凪ちゃん?どうかしたかい?」
「あ、ううん。何でもない。それより、理人と藍香は?あたしが居なくなって、何か言ってた?」
哀しみを打ち消すように明るく、話題をそらしながら叔父さんに問いかける。
未だ気にはしていたようだけれど、あたしの問いに答えるべく叔父さんは口を開く。