透明水彩
「…よし。」
「……美凪?」
いきなり紡いだ言葉に、会話を止めて不審げにあたしを見下ろす2人。その不審さを追い払うように、あたしは続けた。
「うん、3人で散歩でもしようか。」
高校3年生にもなって、幼なじみ3人で散歩もどうかと思ったけれど。
あたしを外へ連れ出そうと、そのために訪ねてきたとさっき言っていたし。それが少しでも2人を安心させる要素になるのなら、外に出るのも構わないかな、と思ったから。
万が一を案じて外に出るのが怖い、とか。
万が一何かあったらどうしよう、とか。
その不安と恐怖を押し殺し、2人を見上げて口角を上げた。
「そう、それ!それが目的で、今日、理人と美凪の家に来たのよ!」
「……引きこもりを外に連れ出すために、ね。」
「あー、マジ何か、本気で理人ムカついてきた。」
そんな会話を交わしながらも、案の定、先ほどよりも明るくなった2人の表情に、あたしも嬉しくなる。