透明水彩
「ハハハハ。あなたにも、両親以外に庇ってくれる人がいたのですね。」
そして、他でも無い刺客の言葉で、あたしの中で今の一瞬の出来事が全て繋がる。
「り、理人……」
「……落ち着いて、藍香。俺は大丈夫だから。」
目の前の腕から、滲み出す赤。
凶器とあたしの間に立つ理人。
青ざめた藍香の顔…。
間違いなく理人は、呆然と立ち尽くすあたしを庇って、それで……
広がる、赤。痛みに歪む、理人の表情。その全てに、つい12日前の記憶が彷彿させられた。
未だ鮮明な記憶は、それこそ鮮やかに脳裏に映し出される。
――あの、雨の日。
お父さんもお母さんも、真っ赤な海で横たわっていた。あたし1人だけ、残された……