透明水彩

「理人…っ、何処に行くつもりっ?あいつ、追って来てる…っ!」

「とりあえず藍香、落ち着いてってば。俺達が焦ったって、状況は悪化するだけだ。………とりあえず、俺についてきて。」


走りながら交わされる2人の会話だって、今のあたしには理解できない…否、聞こえない。それほどまでに混乱して緊迫して。押し寄せる後悔が、あたしを支配していた。

どうして今日、外になんて出てしまったのだろう。いつもはあれだけ、用心して閉じこもっていたのに。

どうして今日、2人と行動してしまったのだろう。あたしだけ1人でいれば、少なくても2人を巻き込むことなどなかったのに。

……否、違う。

あたしの存在自体が、全て、悪いのだ。
両親の手紙を信じず、疑って。ここにいてはいけないと、あの手紙にはそう、確かに記してあったのに。
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