透明水彩
――刹那、
「……ああ、目を覚ましたんだね。」
かちゃり、と開けられたドア。廊下からの逆光で顔は見えなかったけれど、声で叔父さんであると認識する。
そしてすぐにつけられた明かりに目を細めれば、案の定、入室してきたのは、ほっとしたような表情を浮かべた叔父さんだった。
「具合はどうだい?」
「最悪、……だけどもうだいじょーぶ。」
「そうか。…なら少し、少しだけでいいから、話してもいいかい?」
困ったように笑いながら、でも真剣に。
恐らく、今日の出来事やこれからのあたしについての話であることは、容易に予想がついた。
けれど、ここまできて現実を逃避するほど、あたしは今の状況を理解していない訳ではない。あたしのせいで、大切な2人を巻き込んだことにだって、責任を感じていない訳ではない。