透明水彩
…――けれど。
「今日、でいいよ。今日、夜が明けるのを見てから、あたしはお父さん達の言い付けを守る。」
もう、つべこべ言っている暇は無い。
あたしが手紙を読んでから、もうすでに何日も経過してしまっているのだ。決断したのならすぐ、行動に移すしかない。
「わかった。」
そう呟いて小さく頷いた叔父さんは、心なしか安心したかのような表情を浮かべていた。
そんな叔父さんを見て、不意に疑問が脳裏を過ぎる。
叔父さんの話とは一体何だったのだろうか、と。叔父さんは今日の件をどのように受け止めているのだろうか、と。
「ねえ、叔父さん。」
「ん?」
「刺客とかのことについてなんだけど…。理人や藍香は、叔父さんに何か言ってた?」
問いかけた言葉には、不安や困惑が顕著に現れてしまったけれど。それをごまかすことなく叔父さんを見つめれば、叔父さんは数秒口を閉ざした後、ゆっくりと話し始める。