透明水彩

そんなあたしの様子を見届け、ケイはゆっくりと言葉を紡ぎ出す。


「……まあ、美凪にとってこの世界が安全だとされるのには、大きく2つの理由があるんだ。」

「2つ……?」

「ああ。」


2つの、理由…。
当然、あたしには思い当たる節はない。渦巻く疑問を解決すべく、ただケイの言葉に耳を傾ける。


「まず、1つめ。
それは、美凪を取り巻く環境の違いだ。今の美凪は知らないだろうが、万が一に備え、ここにいる全員はある程度の戦闘訓練を受けているし、それなりの武器も常に所持している。絶対的に、とは断言できないが、7年前よりは格段に安全だと言えるだろう。」

「……待って。それじゃあ、理人も藍香も……?」


ケイが一呼吸おいたところで、不意に沸き出してきた疑問を口にした。

あたしが“安全な世界”へ来ることを決意したのは、理人や藍香を巻き込みたくなかったから。それなのに2人も、訓練なんか積んで、武器まで装備してるっていうの?

恐る恐る理人と藍香に目を向ければ、あたしの思いも虚しく、2人は揃って首を縦に振った。
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