透明水彩

「あたしが“存在しない”って……」

「死んだんだよ、2年前。激化した抗争をおさめる、最終手段として。」


意味が、わからなかった。

あたしが死んだ、だなんて。
最終手段として、だなんて。
一体、何がどうなって……。それに、


「抗争って…?」


戸惑いを隠せないあたしに、ケイは続ける。


「《ROSA》――お前の両親が設立したこの組織の中で、《CROCE》と名乗る大グループがあった。そことの間で7年前あたりから勃発した、内部抗争のことだ。」


CROCE(クローチェ)……

初めて聞く言葉に、さらに困惑は深まる。
それに7年前といえば、あたしがいた世界のことじゃないか。

もしかして両親は、その煽りを受けて殺された?

だんだんと繋がりをもっていく事実のかけらと成立していく推測に、あたしがおかれたこの状況がそう簡単に解決しうるものではないと、改めて思いしらされた。

あたしは何も、知らなかったのに…
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