透明水彩
恐らく…否、間違いなくそれこそが内部抗争の最たる原因。だからこそ“兵器”であるリングと所持者であるあたしが、全ての渦中にいるのだ。
元々ROSAがどれ程のものなのかは、今のあたしにはわからないけれど。そんな組織を作り上げた両親はすごかったのだと、今さらながら感じた。
「もちろん、誰ひとりとしてCROCEに賛同する同志はいなかったらしい。ROSAは秋臣兄さんが作り上げたROSAのまま、それで十分なのだ、とね。」
「……じゃあ、何でこんなに抗争は終わらなかったの?」
「ROSAを乗っ取るという計画には賛同しなくとも、兵器を自らの手元においておきたいという輩や、手に入らないなら作ろう、不安要素は殺してしまおう、そう考える輩は少なくなかったんだよ。秋臣兄さんが信頼する、部下の中にも。」
「っ!じゃあ、もしかして……」
「秋臣兄さんと優美さんを暗殺したのは、彼らが最も信頼していた部下でもあり同志でもある、旧友だったんだ。」
どくどく、と強く大きく脈を打つ音が、頭の中に鳴り響く。思い出される凄惨な光景、横たわる両親、冷たい雨に打たれる独りのあたし……。
犯人が見知らぬ人だったならば、まだよかったのかもしれない。信頼していた旧友に裏切られて殺されるなんて、そんなの酷すぎる。悲しすぎる。つらい。
最期のとき両親は一体どんな気持ちだったのかと思い、唇を噛みしめた。