それは運命のいたずら
「顔、真っ赤」
「ちっ違うもん!ついさっきりんご病にかかっただけ!」
なんて苦しい言い訳。
穴があったら入りたいとは、まさにこれのことだ。
私のバカやろうっ!!!
* * *
部活が終了し、駐輪場に向かう。
「佑奈、帰ろっ!」
「ごめん、今からバイトだから急がなきゃ!じゃあまた明日ね」
佑奈、君に代名詞をつけるならば…“働く女”だ、うん。
「あれー?マイチャリがない」
駐輪場の電球は今にも消えそうなくらい薄暗い。
怖い、怖い、怖い。
さっさとチャリ見つけて帰らなきゃって……私、今日チャリないんだ。
「電車で帰るかー」
バックをガサゴソあさりながら、財布があるのかを確認する。
…ない。